はじめに:浜松市の健康長寿を「お口」から守る
浜松市は、政令指定都市の中でもトップクラスの健康寿命を誇る街です。
しかし、そんな浜松市の皆さまに今、知っておいていただきたいのが**「口腔機能低下症(こうくうきのうていかしょう)」**です。
「最近、少しむせやすくなった」「硬いものが噛みにくい」……。
そんな些細な変化は、全身の健康を損なう「オーラルフレイル」の入り口かもしれません。
本記事では、口腔機能低下症の実態から、自宅でできる「あいうべ体操」の有用性、そして「パタカラ」との違いまで、専門的な視点で詳しく解説します。


1. 口腔機能低下症とは?高齢者の2人に1人が該当する現実
口腔機能低下症とは、加齢や病気によって、お口の「噛む」「飲み込む」「話す」といった機能が複合的に低下した状態を指します。
衝撃の罹患率:85歳以上の4人に3人が該当
最新の研究データ(厚生労働省研究班等)によると、その実態は驚くべきものです。
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**高齢者全体の約48.5%(約2人に1人)**が口腔機能低下症に該当。
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75歳以上では40%を超え、**85歳以上になると約70%(約4人に3人)**に達します。
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40代・50代であっても、約30%〜50%の人に「噛む力の低下」などの予備軍的な兆候が見られるという報告もあります。

↑上のデータはよく見ますが、ちょっと多すぎる気もしますね。。。💦
放置するとどうなる?
お口の機能を放置すると、健康寿命に直結するリスクが高まります。
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要介護リスク: 約2.4倍
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死亡リスク: 約2.1倍
(※東京大学高齢社会総合研究機構の調査より)
浜松市の豊かな食文化を一生楽しむためには、この「お口の衰え」を早期に発見し、対策することが不可欠です。
2. 自分でできる最強のセルフケア「あいうべ体操」
口腔機能の回復に最も効果的で、エビデンス(科学的根拠)も豊富なのが**「あいうべ体操」**です。
なぜ「あいうべ体操」が選ばれるのか
あいうべ体操の最大の目的は、**「舌の筋力を鍛え、鼻呼吸を習慣化すること」**にあります。
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唾液の分泌促進: 筋肉を動かすことで唾液が出て、口内の自浄作用が高まります。
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誤嚥(ごえん)防止: 飲み込むための筋肉が鍛えられ、誤嚥性肺炎を予防します。
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免疫力の向上: 口呼吸から鼻呼吸に変わることで、空気中のウイルスが直接喉に当たるのを防ぎます。
あいうべ体操のやり方(1日30回が目安)
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「あー」:口を大きく「丸く」開く
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「いー」:口を横に大きく広げる(首の筋が立つくらい)
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「うー」:唇を強く前に突き出す
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「べー」:舌を思い切り下に突き出す(顎の先を触るイメージ)

3. 「あいうべ体操」と「パタカラ」の違いとは?
よく比較される「パタカラ(口腔機能向上訓練)」ですが、実は役割が異なります。
| 比較項目 | あいうべ体操 | パタカラ運動 |
| 主な目的 | 基礎筋力の底上げ・鼻呼吸の定着 | 動作の巧緻性(器用さ)・滑舌改善 |
| 鍛える部位 | 舌の根元(インナーマッスル)、口輪筋 | 唇、舌先、喉の奥の連動 |
| 期待できる効果 | いびき、ドライマウス、嚥下力向上 | 食べこぼし防止、明瞭な発音、丸呑み防止 |
結論: 「あいうべ」で筋肉のパワーをつけ、「パタカラ」でその筋肉をスムーズに動かす技術を磨く。
この両輪が、口腔機能低下症の改善には最も効果的です。
当院ではどちらかというとあいうべ体操を推奨しております。
あいうべ体操は音を出さなくてもできるからです!!
パタカラは音が必要なので場所を選ぶんです。
4. 浜松市で「お口の衰え」を感じたら
浜松市では、歯科医院での口腔機能検査を推奨しています。以下の7項目中3項目以上が基準値以下の場合、「口腔機能低下症」と診断されます。
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口腔衛生状態不良(口の中が汚れている)
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口腔乾燥(口が乾いている)
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咬合力低下(噛む力が弱い)
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舌口唇運動機能低下(パタカラがうまく言えない)
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低舌圧(舌の押し返す力が弱い)
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咀嚼機能低下(食べ物を細かくできない)
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嚥下機能低下(飲み込みにくい)
浜松市の皆さまへ:かかりつけ歯科医を持ちましょう
浜松市(中区、中央区、浜名区など各エリア)には、口腔機能検査に対応した歯科医院が多くあります。
特に65歳以上の方は、定期健診の際に「口腔機能のチェック」を併せて依頼することをおすすめします。
まとめ:10年後も、浜松の美味しい餃子や鰻を食べるために
口腔機能低下症は、早く対策を始めれば、元の健康な状態に戻せる「可逆的な」段階です。
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罹患率は高く、2人に1人は要注意
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「あいうべ体操」で基礎筋力をつける
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「パタカラ」で動きの精度を上げる
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歯科医院での数値化(検査)で現状を知る

