「せっかく入れ歯を作ったのに、噛むと痛い」「話していると外れてしまう」……
そんなお悩みをお持ちではありませんか?
実は、入れ歯の使い心地を左右する最も重要なステップが、型採り(印象採得)です。
今回は、よりお口にフィットし、機能的な入れ歯を作るための高度な型採り手法である**「閉口印象(閉口印象法)」**について分かりやすく解説します。

1. 閉口印象ってどんな方法?
一般的な入れ歯の型採りは、お口を開けた状態で、歯科医師が指で頬を引っ張ったりしながら形を整えます(これを開口印象と呼びます)。
これに対し**「閉口印象」は、その名の通り「お口を閉じた状態」**で型を採る方法です。

具体的には、ワックスなどで作った「堤(つつみ)」がついた専用のトレーを使い、患者さん自身の噛む力でトレーを保持しながら、実際の食事や会話に近い動きを再現して型を採ります。
2. なぜ「お口を閉じる」と良い入れ歯になるの?
私たちの口の中は、口を開けている時と閉じている時で、粘膜の形や筋肉の緊張度合いが全く異なります。
-
筋肉の動きを邪魔しない: お口を閉じて「うー」「いー」と動かしたり、唾を飲み込んだり(嚥下)する動きを型に記録します。これにより、日常生活の動作を邪魔しない、最適な入れ歯の縁(ふち)の長さが決定できます。
-
噛む力に合わせたフィット感: 自分の噛む力(咬合圧)を利用するため、実際に噛んだ時にどこに圧力がかかるかを計算した精密な型が採れます。
-
外れにくい「封鎖性」: お口を閉じた状態は、開口時よりも頬や舌が入れ歯を包み込む形になるため、吸盤のようにピタッと吸い付く入れ歯になりやすいのが特徴です。

3. 閉口印象のメリット・デメリット
| メリット | 注意点(デメリット) |
|
術者による技術の差が出にくい
|
歯科医師との意思疎通が必要(指示通り動くため)
|
|
嚥下などの自然な動きを反映できる
|
事前の準備(咬合採得)に時間がかかる
|
|
縁の封鎖性が高く、維持力が向上する
|
噛む力が強すぎる場合は調整が必要
|
4. まとめ
閉口印象は、いわば「お口の中のダイナミックな動きをそのままコピーする」手法です。 特に、顎の堤(土手)が痩せてしまって入れ歯が安定しにくい方や、今の入れ歯で「噛むと痛い」と感じている方にとって、非常に有効な解決策となる可能性があります。


